並木道が子連れ親を癒す!『千葉市動物公園』

今回は千葉県千葉市にある動物園『千葉市動物公園』について、子連れで行った感想をまとめさせていただきます。

軽くなったフットワーク

2022年9月後半のある休日。毎週恒例となっているお出かけの日だが、最近は以前よりも少しその様子が異なってきている。基本的には鎌ヶ谷から出ない、もしくは行っても白井程度の距離感で休日のお出かけをすることが多かった我が家だが、ここひと月ほどは九十九里に行ったり筑波山に行ったりとやたら行楽ティブだ。

このように明らかに移動の距離が伸びている理由。それは前回の第30話 ご報告と、九十九里町観光と、『九十九里らぁめん くくり』の蛤ラーメンにて書かせていただいたように、車がフリードになったからである。

運転面においてもかなり楽になったようで、特に妻が明らかにアクティブになった。

よってこの日もなんとなく阿呆面をぶちかましながら「動物園に行きたい!」と言った私のアイディアはすっと可決され、鎌ヶ谷から1時間半ほどかかる千葉市動物公園へと出かけることができたのだ。

子供にとって初めての
本格的な動物園

多くの子供がそうであるように、我が家のヒナ達も動物が好きだ。

きっと自分とは異形の者が予想外の動きをすることに、少なからず好奇心を覚えるからであろう。

これまでも市川市にある「市川市動植物園」には何度か行ったことがあったが、なにぶん小さな動物園なので展示されている動物の種類は少ない。特にライオンなどの肉食動物は皆無である。

だからたまには自分が到底敵わないであろう自然の脅威をガラス越しに見せつけておくのも大切なのではないかと、今回の千葉市動物公園を選んだ次第だ。

待ち受ける絶対的脅威の存在も知らず歩くヒナたち

ちなみにこの千葉市動物公園、私自身も幼少の頃から何度も親に連れていってもらった場所である。ご多分に漏れず動物が好きな子供だった私の中では、上野動物園・多摩動物公園と合わせて「三大動物園」としてくくられているほどの存在だ。

奇しくもさまざまな運命が重なり今回は幼少のころぶりの来園となる。きっと正面ゲートが見えたころには、身長の差による景色の違いが年月とノスタルジーをまとって、脳裏をぶるぶると攪拌するに違いない。

次女のベビーカーを押しながらそんなことを考えているうちに、ついに正面ゲートが見えてきた。さあ、時間旅行の始まりだ!

いや、全然見覚えがない!

まったく知らない場所!どこォ!?

決してそんなはずはないのだが、残念ながら私はあまり記憶力がよろしくなかったようだ。でも、実際に何度も来ているはず。きっと直感的には覚えていなくとも、園内マップを見れば左脳が論理的に思い出すはずだ。

いつだってそうやって人生の危機を乗り越えてきたじゃないか。いまこそ。いまこそ、自分を信じよう!

…いやまじ初見

どこやねんここ。

そんなわけで、私もヒナたちや妻と同様に、この動物園を完全に初見の客として楽しむことができるということがわかった。

坂のその先には
絶対的脅威が多数

入園ゲートの奥は、まず二手に分かれていた。私たちはそのうちの左手、雪が降ればそれなりにスキーを楽しめるほどの傾斜をもつ坂の方面から内部に向かうことに。

だんだんと酸素濃度が薄くなるのを感じながらようやく頂点に辿り着くと、そこにはこんな連中が。

さっそく出たな!絶対的脅威!

人類をはるかに凌ぐランニングスピードを涼しい顔で叩き出す猫が、じっとこちらを見ていた。あろうことかとなりには、おこぼれ界のカリスマ犬までもがまるで「まーたお前ひとりで全部やっちまう気かよ…♪」といった相棒気取りの表情で悠々とすわっているではないか。

一瞬身の回りにある武器になりそうなものを探したが、こいつらが動物園サイドの仕掛けた警告のオブジェクトに過ぎないということに気づき、妻たちの跡を追う。

するとそこにはまるで電圧がかかっているかのような厳重な網。そして中には獣道が。

いや、パリコレか!?

完全にトコトコ歩いてきて、着てる毛皮をチョっとつまみながらカメラ目線して、さっそうとランウェイ歩き去りやがった!

おこぼれ界のカリスマ犬あらため、カリスマモデルじゃねぇか!

急なショータイムにかなり狼狽しながらも、今度はとなりのゾーンに目をやる。そこにあった看板には「チーター」という文字。ついにきたな、人類をはるかに凌ぐランニングスピードを涼しい顔で叩き出す猫。

いや、まじでどこ?

他のお客さんみんな喰い入るように奥の方を見つめているけれど、そこには急な注目で恥ずかしそうにしてるデカめの石しかねぇぞ!?

なんだかちょっとだけ尻尾が出てる気もするけど!仮に。仮にそれがランニングスピード猫のものだったとして。こんな仕事で給料もらえると思うなよ!?

高まる感情を抑えながら続けて順路を辿ると、次はなぜかヤマアラシ。この流れで触れるものみな傷つける悲しい青春のゾーンになる構成にこだわりを感じる。

いや回りくどいメッセージ送ってんなよ!針のついた尻尾を2回振れば「アイシテル」のサインか!?

ヤマアラシは決して顔を見せてはくれなかった。そりゃそうだ。青春の真っ只中を誰かに観察などされたくないに決まってる。

そしてこの平原ゾーンの最後を締めくくるのはやっぱりこの存在。百獣の王、ライオンである!

いやだからサボんな!

石の遺跡みたいなところの中にいるんだけど写真だともうあんたら、コントラストの関係で1ナノメートルも見えねぇよ!

ここには三匹ほど、百獣の王の妻と愛人たちが集っていた。まさに、大奥といった感じだろう。彼女たちが全てを許してついていける存在、百獣の王本人はさらにこの先にいるという。

いよいよだ。私はヒナたちのリアクションをこっそりと見るため、妻と手を繋ぐ彼らのすぐ後ろにそっと立った。

さあ、しかと見るがいい。これこそ、お前たちがどうあがいても敵わない存在の代表だ。ここにいまそかる百獣の王をその目に焼き付け、自らのちっぽけさを知るがいい!

いや、これじゃただのラビットファーのコート着たおっさんじゃねーか!

百獣の王、感をだせよ!それだと休日に嫁さんたちに悪戯されて女モノのショート丈ファーコートを着せられるも、特にリアクションが面白くないから飽きられて外で女同士のランチぶちかまされてるおっさんだよ!プライドもてよ!

そう心で突っ込んでいると、ライオンは私にピンポイントで目線を向けてきた。つぶらながらもどこか無機質な瞳。ここが動物園でなかったら確実に殺される。そう確信した私は、ついにくだらない突っ込みをやめたのだった。

フード販売が集まる
憩いの並木道

妻と交代してヒナたちを連れ歩く筆者
いい湯かげんだということを噛み締めているバク
まるで太宰治のような、醸し出す悲壮感が世のメンヘラ女子を惹きつけてやまないハシビロコウ

このように動物たちをじっくりと見て歩くと当然、乳酸が足に溜まってきますよね…。そんなときに有効な解決法が、そう。休憩です

と当たり前のことをだらだらと続ける胡散臭いメルマガのような書き方をしてみたが、とりあえず疲れたので中央の広場のほうで少し休むことに。その周辺には森のレストランという食堂や森のおみせやさんというお土産と飲食物を売っているお店が。森のレストランにはかなり興味を引かれたが、残念ながらすでにラストオーダーが終わってしまっていた。しかしせっかくなので、森のおみせやさんの方でソフトクリームを買ってヒナたちに食べさせてみる。

森のレストランの外にはサーティーワンのアイスクリームも売っている。
並木道。どうやら少し前までイベントが開催されていたらしく、まだアップテンポな音楽がスチスチと鳴り響いていた。
並木道にはさまざまな移動販売車が連なっていた。
森のおみせやさんの前には噴水が。
愚かな顔をしてソフトクリームを頬張るヒナ。なんだその帽子は。

まさにここは憩いの並木道といった雰囲気で、動物園の中であることを忘れてしまうほど。イベントの名残で再生されていると思われるアップテンポな曲を聴きながら、ゆっくりと休むことができた。

たまに機関車が通り抜ける。

「こども動物園」は
間に合わず

休憩を終えた時点ですでに時刻は16時となっていた。千葉市動物公園の閉園時間は16時半。つまり、あと30分程度しか見て回れないということだ。

しかもこの並木道を出たあとには、まさかのガッツリとした子供用遊具が。

一心不乱にものすごい力で遊具に向かおうとするヒナたちを妻が必死に大人の筋力で押さえ込み、残りの動物を見て回る時間を確保する。

2%くらい可哀想な気持ちもあるが、年齢制限にも引っかかっていたし、ここは我慢してもらうしかない。どんまい!

ここまでおよそ半分しかまだ見て回れていない。今回はすべて見ることは諦め、最後に猿系モンスターたちだけを見せて帰ることにした。特に、ゴリラだけはどうしてもヒナたちに見て欲しい。

見れば見るほど不思議なビジュアルの猿、マンドリル。
手の長いお猿。水辺にぷりぷりと絶え間なくウンチを放っていた。

予想通り、ヒナたちは自分に姿のよく似た異形である猿たちに興味をもっているようだった。しかし長男は途中から猿たちの独特の匂いが気になってしまったよう。あまり臭がっていては猿たちに失礼なので、もっと見せたいところをぐっと堪えて早足で閲覧する。

斜陽的雰囲気を感じるチンパンジーの長老。

猿のエリアを周っている途中でこども動物園というものが園内にあったことを知り、急いでその入り口に向かうも時すでに遅し。触れ合える動物たちはすでにタイムカードを押して帰宅しており、中はほとんどもぬけの殻となっていた。馬やペンギンと触れ合えるゾーンだとのことなので、次回きた時は真っ先にここを訪れたいと思う。

そんなトラブルを経て、残りはあと5分。最後の最後にゴリラだけは見せておきたい。そう思いダッシュでゴリラの展示場に向かった。

屋外と屋内の展示場がある。

もう仕事も終わるということで悠々自適な夕食を始めているゴリラちゃんを、まことに恐縮ながらガラス越しにみんなで見て、今回の動物園は終了。

並木道が親たちを癒す
子連れお出かけの鉄板動物園

唯一、幼少のころの記憶が蘇ったのはこのフィギュアゾーンだった。

いうまでもないことだが、動物園はやはり子供から大人まで楽しめる最高の癒し空間。動物たちが行くたびに違う表情をしている、という要素がリピートを生み出し、定期的な来園を自然に作り出すことができる自走型マーケティング施設だ。子連れでお出かけするには鉄板すぎてもはや言うことはなにもない。

ここでもういちど特筆すべきはやはり憩いの並木道の存在だろう。これは千葉市動物公園ならではといった光景と空気感で、子連れでの疲れがちゃんと休憩時間中に癒された。飲食店がそこに集まっているのも、いい。時間帯にもよるのかもしれないが、適度な人の量もまた、いい。上野動物園も好きだが、あまりにも人が多いので途中でやはり疲れてしまう。

子連れお出かけとしてはこのようなオーソドックスかつ休憩時間にしっかりと癒されるこの千葉市動物公園がオススメだと感じた。

園内施設の情報まとめ

千葉市動物公園

住所:〒264-0037 千葉市若葉区源町280

駐車場午前9時から午後5時まで

普通車 700円
大型車(マイクロバスを含む)
2,800円
自転車・オートバイ
無料

お支払いは現金のみ
料金ゲートは自動精算機
開園時間午前9時30分から午後4時30分まで
(入園は午後4時まで)

休園日
毎週水曜日
(水曜日が休日にあたる時は翌日)
年末年始
(12月29日から1月1日)
入園料大人(高校生以上) 700円
中学生以下 無料
年間パスポート大人2,500円


お支払いはクレジットカード、電子マネーも可
電話番号043-252-1111

森のレストラン

場所:中央広場ステージの脇

営業時間平日10:00~15:30
(L.O:15:00)
土日祝日10:00~16:00
(L.O:15:30)
お支払方法食券販売機
現金のみ

テイクアウトレジ
現金、クレジットカード、電子マネー

店外レジ
現金のみ
席数100席ほど

森のおみせやさん

場所:中央広場噴水の前

営業時間平日 10:00~16:00
土日祝日 9:30~16:30
お支払方法飲食
現金のみ

土産
現金、クレジットカード、電子マネー
席数100席ほど

カフェはぴはぴ

場所:動物科学館2階

営業時間平日10:30~15:00
(L.O:14:30)
土日祝日10:30~16:00
(L.O:15:30)
お支払方法券売機
現金のみ

土産
現金、クレジットカード、電子マネー
席数25席ほど

サバンナカフェ

場所:展望デッキの下

営業時間平日11:00~16:00
土日祝日10:00~16:00
お支払方法現金、電子マネー(PayPay)
席数なし

展望デッキ売店 / 正門売店 / 西口売店 / 北口売店

場所:各ゲート、展望デッキの下

営業時間平日
展望デッキ売店 10:00~16:00
正門売店 休み
西口売店 10:00~16:00

北口売店 休み

土日祝日
展望デッキ売店 10:00~16:00
正門売店 13:00~16:30
西口売店 10:00~16:30
北口売店 土曜休み
日曜・祝日 13:00~16:30


※園内の混雑状況により営業する日もあります
お支払方法展望デッキ売店:
現金、クレジットカード、電子マネーフル
正門売店:
現金、電子マネー(PayPay)ペイペイ
西口売店:
現金、クレジットカード、電子マネー
北口売店:
現金、電子マネー(PayPay)
席数なし

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