【妊婦さん必見】オススメの胎教方法12選!正しい目的や始める時期、効果などについても徹底解説!

昼下がり。誰かが奏でるバッハのゴルトベルク変奏曲が聞こえる窓際で、やさしく日の光につつまれながら、大きなお腹をさすってみる。それに答えるかのようにお腹をちょん、と蹴る我が子。期待をこめて微笑みながら名前を呼びかける。そんなことを繰り返しているうちに、だんだんと心地よい眠気が、瞼をすこしずつ重くしていく…。

なんて。こんな妊娠生活って理想的ですよね。いいですよね。こんな風にお腹の赤ちゃんに音楽を聞かせてあげたり名前を呼びかけてあげたり。これがいわゆる「胎教」と呼ばれるものです。実際はこんなに理想的な妊娠生活はあまりないかと思います。育休ギリギリまでは働くママさんもいらっしゃると思いますし、すでにお子さんがいて家事が忙しいとなかなかリラックスしてお休みする時間もとれないですよね

でも効果が本当にあるんだったら、頑張ってやったほうがいいのかも…。そんな風に思われている方も少なくはないはずです。そこで今回は胎教についてその意味や始めるタイミング、やり方などについて解説させていただきたいと思います。

胎教とは
ママと赤ちゃんが楽しむ時間

胎教というと、赤ちゃんがまだお腹の中にいるときから教育を施すというイメージをもつ方も多いかと思います。たしかに実際に話しかけたり音楽を聞かせたりということで赤ちゃんの能力が伸びるという部分もあります。しかし胎教の本来の目的は「妊婦さんがストレスを感じない環境をつくる」こと。リラックスした妊娠生活を送ることで赤ちゃんが無事に生まれやすいように、伝統として受け継がれてきた文化だということをご存知でしょうか?

1960年代ごろに医療技術が発達し、いわゆるエコー写真による診断が可能になったころ。胎児には聴覚や記憶能力があることが判明したことをきっかけとし、「早期教育」という点で胎教に注目が集まったとされています。誰もがこぞってお腹の赤ちゃんの教育のためにクラシック音楽や英語などを聞かせ続けました

しかし近年ではママがストレスない環境で赤ちゃんと触れ合う時間をつくる、という目的で行う方が増えてきました。本来の正しい意味合いに加え赤ちゃんの成長のことも配慮された考えで、非常に共感され広められつつあります。ただ、こちらにおいてもやはり最も重要なことはママのリラックス。赤ちゃんに存分に愛情を注いであげられるようにすることによって、健やかな成長を促していくことが大切なのです。

音や声は本当に
赤ちゃんに届いている?

子宮の中って羊水で満たされていて、外の音は聞こえないんじゃない?それに音楽を聴かせても声をかけても、赤ちゃんが覚えていないのであれば意味がないんじゃない?

そんな風に思われることもあるかもしれません。しかし大丈夫。音や声はしっかり届いていますし、記憶もちゃんと覚えています。この章ではお腹の赤ちゃんの耳や記憶について解説します。

耳は妊娠6ヶ月で完成する

赤ちゃんの耳はとても敏感だということが長年の研究で明らかになっています。胎児の聴覚器官は妊娠6ヶ月頃には完成していますので、そのくらいの時期からの音楽や言葉は赤ちゃんにしっかり届いているのです。

またこの頃から赤ちゃんは音を単音としてではなく、ひとつのまとまりとして聴いています。つまり同じ曲を別の調や楽器で演奏したとしても、赤ちゃんはちゃんと同じ曲だと認識しているということです。

つまり早くも赤ちゃんは赤ちゃんは似ていれば同じものだと判断して情報を取り入れているということ。微妙な発音の違いや言い間違いなどは赤ちゃんが同じものであるととらえ、バリエーションを分けずに取り入れるのです。ですから言葉や発音にミスがないように気を使う必要は全く問題ありません

胎内記憶とは

生まれてすぐの赤ちゃんでもお母さんの声の方に顔を向けてくれます。それはお腹の中にいるときからその声が聞こえていて、覚えているから。このようなお腹の中にいたときの記憶を「胎内記憶」といいます。

耳と同様に妊娠6ヶ月ごろには赤ちゃんの脳の一部である海馬が完成します。これは記憶をつかさどる部分として知られていて、毎日聞こえてくるママやパパの声をしっかりと覚えられるようになるのです。

特にママの声は体内を伝って直接聞こえることからも、より強く脳にインプットされます。また心臓の音や血流の音なども常時聞こえているわけですから、記憶が残る度合いは強いです。生まれた後の赤ちゃんがテレビの砂嵐を聞くと安心して寝る、という話を聞いたことがあると思います。これは胎児だった頃に聞いていた血流の音に近いからだといわれています。

また面白い内容として、妊娠中にママが見た風景や食べたものの味を記憶しているという報告もあるといいます。へその緒で物理的に繋がっている以上、そのようなこともあるかと思いますが、こちらについては科学的に証明がされているわけではないそうです。

胎教はいつから始める?

以上のように赤ちゃんの耳や海馬は妊娠6ヶ月ごろには完成します。であればその頃から胎教を始めるべき、と思われるかも知れませんが、胎教の目的の大きなところはママのリラックスにあります。なので始める時期に関しては特に決まったものはなく、ママ自身の体調との兼ね合いをみて行うのが良いでしょう

妊娠初期はつわりによる気分の悪さが続きますが、15週を過ぎたころから大体の方はそれが軽減していきます。18週〜20週が経つころには赤ちゃんの動き、すなわち胎動を感じるようになり、赤ちゃんをより具体的に生きていると思えるようになるでしょう。このぐらいから脳や感覚が急成長していくので、赤ちゃんとの触れ合いを始めてみるのもいいのではないでしょうか。

どんな音楽を聞かせるべき?

胎教ってなんだか楽しそう。だけど、何を聞かせてあげればいいの?クラシック音楽は全然わからないし…。そんなお悩みを解決するために、この章では胎教において聞かせてあげる音楽について解説させていただきます。

どのようなものを
選ぶのがいいの?

胎教といえばクラシック音楽。そのように考えてらっしゃるママも多いかもしれません。しかし何度もいいますが胎教の目的はママと赤ちゃんのリラックス。クラシック音楽がお好きならばそれが一番ですし、苦手なのであれば別のジャンルの音楽で一向にかまいません。そもそも音楽である必要だってないのですから。胎教をしっかりすれば赤ちゃんの情緒が安定してあまり無意味に泣かないようになる。そんな噂も聞いたことはありますが、頑張って毎日クラシック音楽を聞き続けたところで赤ちゃんの性格は別に変わりません

ちなみにモーツァルトの曲には「1/fゆらぎ」というものが含まれているのでリラックス効果が高いといわれています。これは人の心拍音やろうそくの炎、電車の揺れ、小川のせせらぎなどに見られる波長で、脳に安らぎを与えるとされています。しかしママがモーツァルトの曲を好まないのであれば無理に聞く意味はありません。

ただしお腹の赤ちゃんの耳は敏感ですので、あまり激しい音楽はよくないといわれています。ママはリラックスできても今度は赤ちゃんが落ち着けないからです。また音を混ぜて聞かせるのも良くありません。まだ赤ちゃんは様々な音の中から特定のものだけを聴きとる、ということができないので、すべてが合わさった音をそのまますべて脳に取り込んでしまいます。赤ちゃんをリラックスさせてあげるために、音楽はひとつずつ、出来るだけ雑音や騒音のない状態で聞かせてあげましょう

生演奏とテレビの音楽、
どっちに効果があるの?

理想をいえば生演奏です。音は空気の振動ですから、それをママの身体を通して直接感じることで赤ちゃんもより心地よい気分になれるでしょう。しかしテレビの音楽が悪い、というわけでもありません。テレビから聞こえる音にあわせてママも歌ってあげたり、話しかけてあげることでお腹の中の赤ちゃんも楽しむことができるからです。むしろ静かに聞かなければならないコンサート会場などよりも、話しかけられるお家のほうがいい場合もあります。とにかく大切なことはママと赤ちゃんのリラックスと、音楽を通した触れ合いの時間なのです。

ママが歌ってあげても
胎教になる?

もちろんママの歌も赤ちゃんのリラックス効果があります。そもそも子供はママの声や歌に興味をもつということが研究で明らかになっています。またママが歌ったり赤ちゃんに話しかけたりするときの少し高めの声は「マザリーズ」といって、ママ自身のストレス解消や脳への刺激にもなっているのです。実はプレイヤーで音楽を聞くよりも、ママが自分で歌う方がよりママと赤ちゃんのリラックス効果に繋がるといわれています。

お父さんの歌でも
効果はあるの?

ママが高めの声を出すことがリラックスに繋がるのであれば、パパの低い声はどうなのでしょう。実は赤ちゃんはパパの声もしっかりと聴いて覚えています。ですからパパの歌声でも十分に効果はあるといえるでしょう。

しかしママがリラックスできるかどうかは別のお話です。笑
イライラしてしまうようであれば胎教として良いとはいえませんので、嫌がるママを無視して無理矢理続けることは避けましょう。また赤ちゃんは高めの声を好みますので、どちらかといえば残念ながらママの歌の方が好かれやすい傾向にはあります。

オススメの胎教の方法12選

音楽を聞く、というのは胎教の方法のひとつに過ぎません。目的はママと赤ちゃんのリラックスと触れ合いですから、その手段も色々とあるわけです。この章ではオススメの胎教方法について12の例をあげさせていただきます。

話しかける

いつでもどこでも準備もいらない胎教の手段がこちらです。まずは愛情をもって赤ちゃんに話しかけてあげてください。朝起きたら「おはよう」、夜には「おやすみ」というだけでもOKですし、なんなら心の中だけで語りかけてもいいのです。肝心なことは赤ちゃんとの絆を深めて、愛情を育むこと。できればママだけではなく、パパやお兄ちゃんお姉ちゃん、おじいちゃんやおばあちゃんなど家族みんなで話しかけてあげてください。そのうち声を聞き分けられるようになり、お腹をちょんと蹴って声に反応してくれるかもしれません。

おなかをなでる

スキンシップも大切です。まずはお腹をやさしく撫でてあげてください。そこに小さな距離は確かにありますが、実際にママが触覚をつかってコミュニケーションすることで”オキシトシン”という愛情ホルモンの分泌がされるといわれています。また話しかけるのと同様に、こちらも家族みんなで撫でてあげるといいでしょう。

ただし触られただけでお腹が張ってしまう、という方の場合は例外です。逆に赤ちゃんに負担をかけてしまうことになるので、無理をせずほどほどにしておきましょう。

好きな音楽を聞く

こちらは前章でご説明したとおりです。クラシック音楽にこだわらず、ヒーリングミュージックやジャズ、オルゴールの音などママと赤ちゃんがリラックスできる音楽を積極的に聴いてください。ただしロックなどの激しい音楽はママのリラックスにはなりますが、赤ちゃんが落ち着けないのでちょっと少なめの方がいいかもしれません。

歌をうたう

こちらも前章で解説いたしました。ママの歌声はママ自身にも赤ちゃんにもとても良いリラックス効果を与えてくれます。また声を出して歌うことでママのストレス解消にもなります。お散歩ついでにカラオケにいくのも気分転換としてオススメです。ただしここでも、あまりズンズンと赤ちゃんに負担のかかる重低音は避けてあげた方がいいでしょう。

絵本の読み聞かせをする

こちらも非常に赤ちゃんにとってリラックスできる胎教の方法です。生まれる前から絵本の読み聞かせをする、というのはあまり聞いたことがないかもしれませんが、まだお腹の中にいる赤ちゃんに対する愛情をママとパパが深めるためにも非常に意味のある行動です。

絵本の選び方はとくにありませんが、ママとパパが好きなものを購入するのがいいと思います。読み聞かせたくならなければ続きませんし、義務感でおこなうようなものでもないからです。気分が明るくなるような内容のものであればママもリラックスできるでしょう。また生まれたあともそのまま絵本は使えますので、いまのうちに用意するような気持ちで購入するのもいいのではないでしょうか。

適度に体を動かす

妊娠中に多い身体の悩みとしては便秘や腰痛があげられます。その解消方法として適度な運動をするのがいいでしょう。安定期に入ったらむしろ運動は赤ちゃんのためにも積極的にした方がいいといわれています。内容としては転倒のおそれがあるような激しいものは避けて、あくまで適度であることは心がけましょう。

アメリカ産婦人科学会によると、週に最低150分ほどの有酸素運動をすることが理想だそうです。オススメとしてはこのあとにも説明しますが水泳や水中ウォーキングがいいかと思います。まず転ぶことがありませんし、水に触れることによってリラックス効果も高いからです。ただしお腹が張ってきたときはすぐに中止して十分な休憩をしてください。

散歩をする

また適度な有酸素運動の方法としてお散歩も非常にオススメです。たまにガッツリ運動するのではなく、毎日少しだけお散歩するのが無理なく続けられるポイントですね。ただしこちらも無理は絶対にしてはいけないので、お散歩の途中に体調が悪くなったらすぐに中止しましょう。

キックゲームをする

赤ちゃんがお腹をちょんと蹴ったときに、その箇所をすぐに「キック」といいながら軽くたたいてみてください。すると赤ちゃんがまたそこを蹴ってくることがあるそうです。これを通称「キックゲーム」といい、赤ちゃんとのコミュニケーションの一環として楽しんでいる方がいらっしゃるそうです。非常に楽しそうですよね。赤ちゃんがさらにとっても愛おしく思えるはずです。

マタニティヨガ

こちらはお医者さんからもオススメされて聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。身体の筋を伸ばしてお産に役立つ筋肉を整えたり、呼吸法を身につけられるので効果的だといわれています。また瞑想をすることでリラックス効果も得られるので是非ためしてみてはいかがでしょうか。

マタニティビクス

こちらは有酸素運動をするための妊婦さん向けのエアロビクスです。全身運動をすることによってストレス解消にもつながりますし、妊婦さんをメインに作られたものなので無理のないような内容になっています。またこちらもお産のときに使う筋肉を整えたり鍛えたりできるので、お医者さんからもオススメされることの多い運動方法です。

マタニティスイミング

先ほども触れましたが、水中は絶対に転ぶことはありませんし、水の心地よさでリラックスすることができます。また浮力によって陸上では休められない筋肉を休ませることができると同時に、普段使わない筋肉を使うことができます。そのことによって肩こりや腰痛も緩和できますし、体力をつけることも可能となるのです。ただしプールから出たあとに身体が冷えてしまうので冬場はやめておいたほうがいいでしょう。安定期に入ったタイミングが夏だった場合はかなりオススメです。

パパがママをサポートする

ここまでママが自分でおこなう方法をメインにご説明させていただきましたが、パパにもできることはあります。その最たるものは、家事のお手伝いとママのマッサージでしょう。特に妊娠中は肩や腰にかなりの負担がかかりますので、凝りやすくとても辛い思いをしているママは多いです。料理や洗い物、洗濯などできるところから負担を減らしてあげて、マッサージをすることは何よりの胎教だといえるかもしれません。ママはリラックスすると同時に、パパへの信頼も強くなります。そして赤ちゃんの近くにいられる時間も増えるわけですから、声を覚えてもらいやすくもなります。実はいいことずくしですので、やらない理由はないのではないでしょうか。

また妊娠中のママは非常にナイーブになることが多いです。そんなときにしっかりとお話を聞いてあげたり、ママを可愛がってあげることもまた胎教のひとつです。ママの気持ちが楽になれば当然、赤ちゃんへの負担も著しく減るのですから。パパの育児への参加はこの時点から始まっているのです。

まとめ

この記事では胎教について、その意味や方法について解説させていただきました。

胎教はママと赤ちゃんがリラックスして触れ合うためのものです。ママは自分の好きな音楽や行動で楽しむことを一番に心がけましょう。またお腹の赤ちゃんの耳は妊娠6ヶ月ほどで完成し、大人のそれよりもかなり鋭敏な状態です。外の音はすべて聞こえていますし、胎内記憶もちゃんとあるので話しかけたり音楽を聴かせてあげることには意味があります。

ママが自分で歌を歌ってあげるのも赤ちゃんにとって非常にリラックスできる方法となります。また絵本の読み聞かせやキックゲーム、適度な有酸素運動などもオススメです。

パパがママのお手伝いをしてあげたりマッサージをしてあげることもまた胎教のひとつです。お話を聞いてあげるだけでも効果はありますので、いまのうちに夫婦の絆を深めておくという意味でも是非積極的にママと時間を過ごしてあげてください。

そんなわけで今回はここまで。この情報が妊娠中のママやパパのご参考になれれば幸いです。


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