赤ちゃんが2日以上、ウンチをしていない!以前は毎日何回もしていたのに…。そんな時、もしかしたら便秘になってしまったのかも、と心配になります。ただどのような症状があったら要注意なのかがハッキリわからなければ病院にも行きづらいですよね。そこで今回は赤ちゃんの便秘についてその症状や解消法を徹底解説させていただきます。
Contents
ウンチの回数だけでは
便秘かどうかわからない
生まれたての新生児のウンチは水分をたっぷり含んでいますので、ほとんど下痢にしか見えないような緩いものです。しかしだんだん成長してくるにしたがって腸の中にウンチを溜められるようになり、排便の回数は急に減っていきます。
とはいえウンチのペースは赤ちゃんによってさまざまで、変わらず毎日何度も出る場合もあれば、数日に一度しか出ないことも。実は回数だけでは便秘かどうかはわからないのです。
基本的には機嫌が良く、母乳(ミルク)を飲む量が減らなければ大丈夫です。逆にたとえ毎日ウンチが出ていたとしてもそのたび顔を真っ赤にして踏ん張っていたり、うさぎのように小さくて硬くコロコロしたウンチが続いているようであれば便秘の可能性が高いです。
しかし赤ちゃんがウンチの出し方のコツをわかっていないこともあります。時間はかかっても少し経てば柔らかいウンチが出てくるならば問題はないでしょう。
もし便秘だった場合、放っておくとますますウンチが硬くなり、赤ちゃんのお腹が痛くなってしまいます。また切れ痔になってしまう可能性もありますので、症状が見られる場合は後半でご説明するママやパパが出来るケアを試してみましょう。
赤ちゃんが
便秘になりやすい時期
赤ちゃんが特に便秘になりやすいのは新生児期、生後2、3ヶ月ごろ、そして離乳食を始めたてのころの3つだといわれています。これらの時期には少し注意が必要であることを覚えておきましょう。
新生児期
生まれたての赤ちゃんはまだ身体をほとんど動かすことができませんので、運動不足による便秘になりがちです。
また母乳よりもミルクを飲む回数が多い赤ちゃんに多くみられるといわれています。母乳には「乳糖」という物質が含まれ、腸内を整える「ビフィズス菌」を活性化させる作用があります。一方でミルクにはその乳糖が少ないので便秘になりやすいのです。
生後2、3カ月ごろ
また消化器官が少しずつ発達しはじめ、腸の中にウンチを溜められるようになる生後2、3ヶ月ごろにも便秘を引き起こしがちです。
新生児は水っぽく、緑色や黒色に近いウンチをしますが、この頃から少しずつ水分が減って、大人のような茶色のものに変わり始めます。この変化が起こったらウンチの回数などをチェックするようにして、異常に早く気づけるようにするといいでしょう。
離乳食を始めたころ
(生後5、6カ月頃)
離乳食を始めると、ウンチはさらに水分が少なくなり、大人のそれに近づいていきます。この時期になるとその水分量の変化からまた便秘のリスクが高まるとされています。また痛みを伴うような硬いウンチをすることがストレスになり、排便を我慢してしまうことでさらに便秘を悪化させてしまうケースもあるのです。
赤ちゃんの便秘が疑える
3つの症状
赤ちゃんの便秘はウンチの回数やペースでは疑えない、ということを前章でご説明させていただきました。では具体的にどのような症状があれば便秘だと考えるべきなのでしょうか。
母乳を飲みたがらない、
吐き戻す
お腹にウンチがたまっていると、赤ちゃんは母乳やミルクを飲みたがらなくなります。新しいウンチをつくることでさらにお腹が苦しくなることを本能的に避けようとしてしまうのです。時には飲んだものを吐き戻してしまうことも。ウンチの回数が減る、よりも母乳やミルクを飲む量が減る方が便秘を疑う根拠になります。
赤ちゃんの機嫌が悪い
お腹が苦しい状態になると、当然赤ちゃんの機嫌は悪くなります。泣き続けている理由に心当たりがない場合は便秘による体調不良を訴えているのかもしれません。まずは睡眠時間、食事の量、オムツ、部屋の温度などが問題ないかを確認して様子をみてみましょう。
うんちの量が少ない、
固い
ウンチの変化は体調の変化です。もちろん便秘のときは特にその違和感が見てとれます。ウンチの量が少なくなった、硬くなったなどはそのサインだと思いましょう。離乳食に入る前はそこまで水分の少ないウンチをすることはあまりありません。大人ウンチに変わったと考えることも出来ますが、いちど便秘を疑ってみると他にも心当たりがあるかもしれません。
すぐ病院に
連れていくべき症状
基本的に便秘はよくあることで、病院で特別な処置をしてもらう必要はありません。しかしかなり重度だった場合や腸の異常、深刻な病気だった場合は放っておくと大変です。以下の症状が見られる場合はすぐに病院を受診してください。
・ぐったりしていて熱がある
・おなかがパンパンに張っている
・排便時に出血がある
・血便が出る
・嘔吐を繰り返す
・緑色の嘔吐がみられる
・1週間以上の便秘が何度も続く
自宅で出来る便秘改善法
軽度の便秘はママとパパによる自宅での対応で解消することが可能です。この章ではその3つの改善法とそのやり方についてご説明していきます。
綿棒浣腸の方法によって
解消する方法
「綿棒浣腸」とはその名のとおり、おしりを綿棒で直接刺激することで便意を促す方法です。赤ちゃんが10分以上も踏ん張っているのにウンチが出ない場合や少ししか出ていない場合はこの方法を試してみるといいでしょう。
ただ、前述したように赤ちゃんがまだウンチのコツをわかっていないだけの場合もあります。少し待てば柔らかいウンチがでるのであれば問題ないので無理に綿棒浣腸をするのはやめましょう。
<必要なもの>
・大人用綿棒
・ワセリン
(ベビーオイルやオリーブオイルでも可)
・おむつ替えシート
(新聞紙などでも可)
<やり方>
まずは準備として大人用綿棒の先から2cmの位置にマジックなどで印をつけ、綿の部分にワセリン(もしくはベビーオイル、オリーブオイル)を塗ります。
次におむつ替えシート、もしくは新聞紙を敷いた上に赤ちゃんを寝かせ、両足を持ち上げて肛門に綿棒を印の位置(2cm)手前くらいまで挿入。内部を優しくなぞるように10秒くらい綿棒を回して刺激します。この際はかき回すのではなく、必ずゆっくり優しくおこなってください。
<排便のサイン>
おしりを刺激した綿棒にウンチがついていれば、もうすぐ排便するサインになります。なにもついていなかった場合は少し時間をおいて様子をみてあげてください。それでもウンチが出ない場合は2、3回同じことを繰り返してみましょう。
マッサージによって
解消する方法
赤ちゃんのお腹をマッサージすることでウンチを促すことも出来ます。ここではその3つの種類とやり方について見ていきます。いずれも上記の綿棒浣腸とセットでおこなうとより効果は高いでしょう。
<「の」の字マッサージ>
赤ちゃんのお腹に平仮名の「の」を書いてあげるイメージで、おへその周りを時計回りにぐるぐるとマッサージします。腸内をウンチが流れる方向に沿って刺激することで排便を促す仕組みですので、回す方向は必ず時計回りにしてください。
3〜4本の指と手のひら全体を使って優しく撫でてあげましょう。赤ちゃんの内臓はとても弱いですので、あまり力を入れてしまってはいけません。
<足のストレッチマッサージ>
足のストレッチもまた有効です。赤ちゃんをあおむけに寝かせて両足を一緒にもち左右に動かします。お腹をツイストすることで腸の動きを活発にさせる仕組みです。「右、左、右、左…」とリズムに合わせておこなうことで、赤ちゃんも楽しい気分になれます。2〜3分ほど続けて様子をみてみましょう。
<おしりのマッサージ>
こちらは赤ちゃんの肛門のすぐ上のあたりを指で軽くトントンと叩くようにマッサージして直腸の動きを促します。力が強くならないように気をつけましょう。またデリケートな部分ですので、おこなう際には必ず爪を切っておくことをオススメします。
食事から解消する方法
綿棒浣腸やマッサージも効果的ですが、やはり普段の食事から改善する方法が最も効果が高いといえます。ここでは食事に関して注意するポイントや便秘改善に効果的な食べ物について赤ちゃんの時期別に解説します。
<授乳期>
この時期の赤ちゃんは便秘改善に良い食べ物を口にすることが出来ません。なので母乳を飲む量やミルクの銘柄についてより注意することが大切です。
・授乳量が足りているか確認する
母乳の場合、ミルクとは違って飲んだ量がわかりづらいです。またママの体調や出産回数などによっては母乳に含まれる栄養が減っていることがあります。気づかないうちに実は赤ちゃんにとって必要な量に足りていなかった、なんていう可能性があるのです。
水分や栄養が足りていないと便秘を引き起こしやすくなります。それを避けるためには、授乳前に赤ちゃんの体重を測ったり、搾乳して哺乳瓶に入れることで量を確認するのがオススメです。
・粉ミルクの銘柄を変える
粉ミルクの成分は銘柄によって異なります。赤ちゃんの身体に相性の悪いものを選んでしまうと便秘や軟便を引き起こしてしまうことがありますので、そういった場合は銘柄を変えてみましょう。
<離乳食初期>
離乳食を始めたての時期の赤ちゃんは10倍がゆやすり潰した野菜などほとんど液体に近い食べ物を食べます。非常に消化がいいものばかりなので吸収できないものが少なく、結果的にウンチの量が量が少なくなります。しかし離乳食が液体状だからといって十分な水分を与えてあげないと、ウンチが腸内に溜まったまま出てこなくなってしまいます。
・食後に水分補給する
離乳食を食べた後には必ず水分を補給してあげましょう。母乳やミルク、麦茶や湯冷しなどをあげるのがいいとされています。
・汁物のメニューを取り入れる
離乳食のメニューに野菜スープや味噌汁を加えてみるのもいいと思います。まだこの時期は固形物は食べられませんので、あげる際は具を取り除いてあげてください。
<離乳食中期〜後期>
このぐらいからだんだんと子供には好き嫌いが出てきます。また食事の集中力にばらつきが見え始め、興味の度合いによっては食べる量が少なくなってしまいがちです。体重や健康状態に問題がないのであれば基本的に心配は要りませんが、便秘がちになってしまうようであれば工夫が必要でしょう。
・食物繊維の多い食材を食べさせる
大人と同じく、子供にとっても食物繊維にはウンチの通りを良くする作用があります。オススメはりんごやバナナのような果物や、サツマイモやジャガイモなどのイモ類です。これらは小さな子供が好むことが多く、さらに食べさせやすいのもいいところです。
菜っぱ系の野菜やキノコ類もいいですが少し飲み込みづらいところがあるので、あんかけにするなど調理のコツが必要です。
・発酵食品を食べさせる
古来より発酵食品というのは健康食として有名です。その作用のひとつとして腸内環境を整えるというものがありますので、便秘のときにもとても役に立ちます。納豆やヨーグルトなどを与えてみると効果があるでしょう。
まとめ
本記事では気になる赤ちゃんの便秘について、その原因や症状、改善方法について解説させていただきました。
赤ちゃんが便秘かどうかはウンチの回数だけではわからず、症状があるかどうかで判断します。また新生児期や生後2、3ヶ月ごろ、離乳食を始めたころなど食事の形に変化があるタイミングで赤ちゃんは便秘になりやすいといわれています。
便秘が疑える症状としては①母乳を飲みたがらなくなる、②機嫌が悪い、③ウンチの量が少ない、もしくは硬い、ということがあげられます。さらに
・ぐったりしていて熱がある
・おなかがパンパンに張っている
・排便時に出血がある
・血便が出る
・嘔吐を繰り返す
・緑色の嘔吐がみられる
・1週間以上の便秘が何度も続く
といったことがみられる場合は重度の便秘、もしくは腸の異常などの可能性がありますので、すぐに病院へ連れていきましょう。
基本的に軽い便秘の場合はママやパパによる自宅のケアで十分改善されます。その方法としては綿棒浣腸やマッサージ、食事内容を変えることなどがあげられます。
以上で今回はここまで。この情報が子育てに悩むすべてのママ、パパのお役に立てれば幸いです。
この記事を書いた人

ルリニコクみみみ。三児の父。音楽家。Webマーケター。28歳のときに第一子誕生。持病のある妻と子育てをするため、コロナ禍前から在宅で働きつつ共同子育てを実施。2021年から家族とのお出かけをブログに書き始める。現在は夫婦で子育てをしながら、ルリニコクというユニットとして活動中。特技は家庭料理とおむつ替え。
乳幼児期によくあるトラブルとして「泣き入りひきつけ」もあげられます。こちらの記事も是非合わせてご参照ください。