激安&子供の食べられるメニューもある『カキ小屋 広田湾』岩手県陸前高田市の海鮮料理店

今回は岩手県陸前高田市にある海鮮料理店「カキ小屋 広田湾」について、子連れで行った感想をまとめさせていただきます。

陸前高田についての他の記事は『おもてなしの丼』『そこに見えるは未来の街』をご参照ください。

直感を信じて飛び込む

この時点で時刻は19時半を回っていたが、再建された中心街にはまだいくつも営業中の飲食店があった。そのどれもが魅力的で、妻と義妹は「どれにしようか…。」と迷っている。そんな中で私がゴリ押したのは、車を駐車場に停める際に目に入った最初のお店「カキ小屋 広田湾」だった。

理由は、面白そうだから。正直、候補の中では一番入りづらそうなお店だった。ここだけこのタイミングではお客さんが入っておらず、営業しているのかしていないのかもわからない様子だったのだが、私のセンサーはビンビンと反応していた。ここは絶対に何かある

そんなわけで今宵の夕食は牡蠣に決定した。陸前高田の牡蠣を一匹残らず食べ尽くしてやるぜ!

陸前高田の飲食店街。
駐車場から道路を挟んで向かい側にカキ小屋が。気になるに決まっている。

1キロの牡蠣が550円

お店の扉は網戸のみが閉まっている状態。中の様子を確かめると、おばちゃんがテーブルを拭いていた。恐る恐る聞こえる程度の小さな声で話しかけてみる。

まだやってますか?

すると「はーいどうぞー。」という元気な声をいただいた。それを聞いて遠慮なく網戸を開けて中に入る。「大衆食堂のお母さん」といった気さくな雰囲気のおばちゃんは、私たちが連れているヒナたちを見るやニコニコしながらすでに閉まっていた個室をわざわざ開けてくれた。優しい。そしてありがたい。そしてその部屋はなんだか秘密基地のような構造で、少年心をくすぐられる。

娘もテンションが上がっている。
個室は扉で仕切られていて、なんだかワクワクする。

メニューをみるとそこには驚愕の内容が。蒸し牡蠣1kgでなんと1100円。人生初の牡蠣小屋だったのだが、これは安くないか。牡蠣ってこんなにリーズナブルに食べられる食材なのだろうか。いや、違う。調べたところやはり相場よりも随分お安いお値段での提供をしている様子だった。

しかしおばちゃんを呼んで注文しようとすると、さらに驚きの言葉が。

いまサービスで1kg550円になってますよー。

…えっ?550円??

………は?

安ぅぅぅぅぅぅ!?

なんて素晴らしいサービス精神なのだろう。というかそんなお値段で食べてしまって、牡蠣に呪われないだろうか

大好きになった陸前高田の街に出来るだけの観光費をお支払いしよう、それが私たちにできる支援だ。そう思っていたのに想像よりも桁外れにお安いとは。私たちはそれぞれ茹で牡蠣を1kgずつと、牡蠣ごはん牡蠣汁、そして大サイズと書かれていた生牡蠣を注文した。

息子のいるところが個室になっている。
カウンター席もある。
懐かしさのある「大衆食堂」感。

生牡蠣デカぁ!?美味ぁ!?

しばらく秘密基地の中でハイハイする娘を追っかけ回しながら喋っていると、私たちの今夜のごちそうが到着した。

生牡蠣デカぁ!?

なんという大きさ。なんというツヤ。私は実は人生初の生牡蠣。その味も知らなければ食べ方も知らない。そんな男にこんな上モノが届いて大丈夫なのだろうか。初めての彼女がアメリカンポルノスター。その先の人生はどうなってしまうのだろうか

よくテレビなどで殻に口をつけて一気に吸い込む、という食べ方を目にするが、この子はビッグサイズすぎるので食い手が熊とかで限りは窒息死する。しっかり食いちぎってふた口で食べた。

とろとろぉぉぉ♡

海のミルク。まさにその通称がぴったり。トロッととろける中身がコリコリとした肉をまとっている。臭くはなく、それでいて風味深い。薬味がまたちょうど良く牡蠣の旨味を引き出している。要は、たまらん!最高に美味しい…。初めてがアナタで良かった。

続いては牡蠣汁。こちらもぷりっぷりの牡蠣様がお浮きになられている。しっかりとした牡蠣の濃い出汁がとても美味い。これだけで白飯が食べたくなる。

牡蠣ごはんも同じくしっかりした味の出汁で炊き込んであった。シンプルで余分な具材は入っておらず、純粋に牡蠣の風味が楽しめるように作られている

ちなみに息子の分も注文したが、申し訳ないことに好き嫌いの多い彼は牡蠣の香りが苦手だった様子。余った牡蠣ごはんは娘が食べることに。こっちのヒナは何でも大好きなのでぱくぱくと美味しそうに頬張っていた。

そしていよいよ合計3kgもの茹で牡蠣がテーブルに運ばれてきた。まさに圧巻である。凄まじいほどの磯の香りがあたりに漂い、期待値がぐんぐんと上がっていく。

殻を開けるとジューシーな中身が我々を待ち構えていた。口にいれて噛み締めると、まるで分厚い水風船がゆっくりと萎んでいくかのように汁が溢れ出す。美味しい。ひとつひとつの大きさは小サイズなので少々小ぶりではあるが、その分いくらでも食べられる。私たちはあっという間に3kgの牡蠣を完食した。

本当に水風船のようにぷくっと汁の溜まった牡蠣もいた。

子供の好みに要注意

最後に子連れとしての視点をまとめる。おばちゃん、子供に優しい店内、広い。他のお客さんが多い時間帯ならばきっと声も気にならない雰囲気だと思う。文句なしだ。

ただひとつ、今回思ったのは牡蠣が苦手な子って多いのかな?ということ。うちの息子は好き嫌いが激しいので初めての牡蠣はダメだったが、他の人からも子供の頃は苦手だったという話をよく聞く。私個人は小さな頃から大好きだったのだが…。

「カキ小屋」というだけあってメニューのほとんどは牡蠣。一部しらす丼などもあるのでそれが食べられる子ならば大丈夫だと思うが、しらすもダメな子の場合は事前におにぎりなど買っていっておばちゃんにその旨を説明し、席で食べさせてもらったほうがいいかもしれない。

次回はカキフライも食べる

存分に牡蠣を楽しんだ私たちはお会計をすることに。大人3人と子供ひとり(息子はあとでおにぎり)が大満足して、お値段は合計6,000円を切っていた。なんというお値打ち。ふたりで食べてこの価格以上かかって、しかも全然満足できなかったお店をいくつも知っている。

しかも私は最後に生牡蠣をひとつ追加している。カキフライと最後まで迷っていたのだが、お腹もいっぱいになっていたので生牡蠣にすることにした。次に来た時にはカキフライも絶対食べてみたい。これを書いている今、とてつもなくカキフライが食べたい。

こうして3話にわたってまとめさせていただいた私たちの陸前高田見学・観光はグランドフィナーレを迎えた。次に来る時はホテルに何泊かしてしっかり滞在してみたいと思う。それほど気になるお店が沢山あった。博物館も行ってみたいし、温泉もあるというので、そちらにも行ってみたい

街全体に関する感想は前回の記事『そこに見えるは未来の街』に詳しく書かせていただいたが、本当におもてなしの心を感じる素敵な場所だった。仙台や千葉に帰ったあとも陸前高田については色々な資料を読んで調べ続けているし、これからもずっと街の発展を追っていきたい。たった一度の訪問でそれだけの大ファンになったのである。

絶対にまたこの街へ遊びに来る。

店舗情報

公式HP:http://www.hirotawan.com/

住所:〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字馬場前162-2

駐車スペースあり
営業時間11:00〜14:00,
17:00〜21:00
(ラストオーダー 20:00)
定休日火曜日
(詳しくはお電話で
ご連絡ください)
電話番号090-8784-2114
席数36席ほど

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