喰らえ、窯焼きピザ!『シベールの杜 天童店』山形県天童市のレストラン

今回は山形県天童市にある「シベールの杜 天童店」について、子連れで行った感想をまとめさせていただきます。

絶望の短縮営業、そして暁光

子連れへの配慮、味ともに最高すぎるラーメン店「居間人」(虹がかかるほどの絶品味噌ラーメン』)を出てから約30分後。我々ふたりとヒナ二羽はここ山形県天童市にて、必死になりながら開いているカフェを探していた

前回のラスト、駐車場で雨宿りをしていたとき。食後のコーヒーを飲もうということになり市内の中で検索をかけたところ、非常に気になるカフェがあった。

それは「天童荘 ガーデンカフェ」というお店。Googleの記載では17時までやっているとのことで、そこまで時間の余裕があるわけではないもののワンブレイク程度は問題なくできそうだ。

そんなわけで出発進行。「居間人」の駐車場を出たのが15時半過ぎ。はじめての街でナビと睨めっこしながら30分ほどかかり、目的地に着いたのが16時過ぎ。

周囲は小さな温泉街となっていて、あまり見慣れない雰囲気に非常にわくわくする。娘がまだ小さいので無理だが、もう少し成長ひたら温泉旅行にも出かけたい。そんなことを思いながら喫茶店の前まで行くと、

お店が思いっきり閉まっていた。どうやら短縮営業で1時間早めに切り上げていたらしい。コロナウイルスの絶滅を切に願いたくなる状況だった。

さて困った。予想外の大事件である。きっとこれは他のお店もみんな1時間ほど短縮されているということなのだ。

先ほど調べたとき、この街の喫茶店は軒並み5時に閉まる様子だった。ということは、今日はもう天童でいけるお店はないかもしれないのだ。

一度喫茶店に行くと決めた以上、こんな不完全燃焼のまま仙台に帰りたくはない。私と妻はふたたびお店探しを始めた。営業中かを確かめるため、何件か電話をかける。しかし全滅

諦めかけた、その時。妻が言った。

そういえばさっき通ったところの喫茶店、まだやってたね。」

それだ!急いでそのお店に電話をかける。するとなんと6時までやっているとのこと。なんたる暁光。さすが妻だ。

それこそが今回の舞台となる「シベールの杜 天童店」。山形を中心に展開するローカルチェーンのお店が私たちを救ってくれたのだった。

天童荘というのはそもそも温泉旅館で、周囲はさながら温泉街となっていた。

カラフルなピザ窯

シベールの杜はまるで道の駅のような雰囲気の大きなお店である。店内に入ると、向かって左側はお菓子とパンの販売店となっていて、右側がカフェレストランだった。

2階席もあるようだったが、閉店の1時間ほど前だったということもあってか、この日は使われていなかった。どのような空間だったのか、ちょっと覗いてみたかったのだが仕方がない。

客席にはファミレスの雰囲気があるが、その天井はまるで美術館のよう。全国区ではないローカルチェーンならではの個性を感じる。

あとで調べたことだが、「シベール」というのはラスクを目玉にしているお菓子の会社。基本的にはお菓子の販売店が多いのだが、一部でこの「シベールの杜」というカフェレストランを運営しているらしい。山形にそのほとんどの店舗があるものの、仙台にもいくつかあるのだという。

しかし「じゃあ仙台で行けたじゃん。」というツッコミはナンセンスだ。山形発のチェーンには山形で行くのがいいのだ。実際ここに来るまで名前も知らなかった。

ちなみに銀座にある山形県アンテナショップにもシベールの杜が入っているようだ。あと、なぜか山梨にも一軒だけ。他はすべて山形と宮城のようだ。東京はわかるが、なぜ山梨なのだろう。

それはともかくとして、店内の感想にもどる。天井の次に目に止まったのはカラフルでとても可愛らしいピザ窯だった。

つまりこのお店では焼きたての窯焼きピザが食べられるということだ。ついさっき「居間人」にて極上の味噌ラーメンをたらふく食べた後だったが、このチャンスを逃すわけにはいかない。

私はアイスコーヒーと窯焼きピザを、妻はつや姫という山形のお米で出来た玄米コーヒーを頼むことにした。

まるで道の駅のような外観
バルコニーでは手彫りらしきウサギがこちらをじっと見つめていた。
美術館のような天井。
哀愁が漂いすぎなウサギ。我が家のラパンも写っている。

窯焼きピザ喰らい記念日

到着したアイスコーヒーを飲んで一息つくと、

うまぁぁぁぁッ!?

という妻の叫び声が目の前で鳴り響いた。どうしたと聞くと、どうやら注文したつや姫玄米コーヒーがもの凄く美味しかった様子

促されるままに一口いただく私。

これは…。たしかに美味い。玄米茶にほど近い味の中に、確かなコーヒーがいる。そのふたつの香りが見事にマッチしていて、独特ながら飲みやすい。このつや姫コーヒーはティーバッグ式のものが販売コーナーに売っていたので買って帰ることにした。

つや姫玄米コーヒー。独特で美味。

ふたりで新鮮な味に感動していると、ついに窯焼きピザが登場。まるで自分の美味さに圧倒的な自信をもっているかのように皿いっぱいにふんぞり返って、「早く喰らえ」と仰せになる。

ならばもう、そのお言葉に甘えて喰らうしかない。さっき最高のラーメンで満たされてボケッとしていた胃袋が、脳みそに叩き起こされ一生懸命に整頓をはじめる。なんとかスペースを空けることに成功したのを見計らって、一口食べてみた。

美味い!熱々のチーズはとろけ、窯焼きならではの生地の香ばしさが喉の奥から逆走し鼻腔に広がる。これは満腹なのにぺろりと一枚いけそうである。

妻にも勧めたが、さすがにお腹がいっぱいで無理だとのこと。このピザは息子とふたりで平らげることにした

息子にとっては人生初の窯焼きピザである。デリバリーやスーパーのお惣菜コーナーのピザとは格が違うということを知ってもらわねばならない。実は彼はかなり食が細いタイプなのだが、そして先ほどチャーシュー丼を限界まで食べたあとなのだが、そんなことは関係ない。命令だ。喰らえ!

しかし命じるまでもなかった。元来のトマト好きも功を奏したのか、彼はみるみるうちにトロトロのピザを半分も食べたのだ。

美味しーぃ。ぴざ。

そう言いながらペロリと食べた息子を見て、こいつ実は食が細いわけではなく好きなものしか食べない性格なんだということを確信する。しかしこの場は見逃そう。人生初の「窯焼きピザ喰らい」記念日は世界で15番目くらいに貴重な出来事なのだ。

こうして私たちの山形県天童市ドライブは息子が美味しいピザをいっぱい食べるというイベントをもってグランドフィナーレを迎えることとなった。

子連れハードルはかなり低め

さて今回の「シベールの杜」。子連れのハードルはかなり低いと思われる。入り口から入った後に5段ほどの階段はあるものの、店内はファミレスの雰囲気なので少し大きな声を出したとしても気にはならない。我々は使用しなかったが、子供用の椅子も用意されているので安心だ。

また隣には公園があり、おそらく普段から子連れのお客さんで賑わうお店なのだと推察される。きっとご飯を食べたあとに公園で子供と遊ぶのも楽しいだろう。

娘もはしゃぎたい放題。(もちろん鎮めた。)

店を出ると天童市は夕暮れ風景となっていた。すっかり待ちくたびれて、寂しそうにひとり座りこんでいたラパンにみんなで乗り込む。車内でヒナ二羽のおむつを替え、10分ほど「居間人」でいただいたシャボン玉で遊んだのち、ついに仙台方面に向かって出発した。

相変わらずこれでもかというほど美しい東北の帰り道。お土産は嬉しかった気遣いと「つや姫コーヒー」のティーバック。

めちゃくちゃデカい将棋の駒が売っていたのでちょっと買おうかなとも思ったが、価格も超ビッグだった。それにあれを家に飾っていたら、知らない人が勘違いして将棋の道場破りにくるかもしれない。そんなことを思い出しながら窓の外を眺める。

窓に映る山々は少し頬を赤らめながら「またおいで。」と言っているような気がした。

山へ向かって帰る。ちなみに仙台への道は険しい山の中を通っている。
この山々を見るだけでも来た価値がある。

店舗情報

【シベールの杜 天童店】

公式HP:https://cybele.co.jp/website/store_view.php?id=106

住所:〒994-0028 山形県天童市鍬ノ町1-3-18

駐車スペースあり
営業時間平日:9:00~19:00(L.O.18:30)
土日祝:9:00~20:30(L.O.20:00)
9:00~11:00はモーニング
電話番号023-652-1337

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