
今回は山形県天童市にあるラーメン店「麺屋 居間人Leap」について、子連れで行った感想をまとめさせていただきます。
天童市に向かうラパン
この日の天気は曇り、時々雨。
小さなラパンはくねくねとした山道を通りながら山形へと向かっていた。
私たちが滞在する拠点は仙台市の西部で、山形県のすぐ近く。ならば山形にも行っておこうということで、将棋の駒で有名な天童市を目的地として午後からドライブに出かけた。
もともとは以前テレビで見た元祖辛みそラーメンが食べたくて山形を調べていたのだが、その発祥のお店は南陽市というちょっと遠いところにあった。加えてかなりの人気店なので子供が小さいうちは大変だと思いやめることに。
こうしてとりあえず一番近くて有名な街として天童市に狙いを定めることにしたわけだが、この適当な選択が最高なお店との出会いに繋がることになるとはまだ誰も気づいてはいなかった。
妻の儚げな反応
息子の奥歯のように連なる大きな山々に癒されながら天童市に入る。大きな将棋の駒のオブジェなど、想像以上に面白い光景が多くて自分たちが空腹なことも忘れていた。
というのも2羽のヒナこと3歳の息子と1歳の娘は既にお昼を済ませていたが、私と妻はまだ食べていなかったのだ。
市街地に入りテンションが落ち着いてきたころ、突然雪崩のように空腹感が襲ってきた。これは命に関わる。そう確信するのに時間はかからなかった。
そんな失敗の許されない状況の中、天童市に美味しそうなラーメンはないかということで探したところ、1軒のお店が私たち夫婦の目に止まった。
そこは味噌ラーメンのお店。写真から見るにとても美味しそうで、さらには店内も広くテーブルやお座敷もある様子。コンマ2秒でふたりの行きたい!が合致し、目的地はここに決まった。
「民間人だって!みんかんじん。
面白い名前のお店だねぇ。
じゃあ「カリスマ」っていう2号店もあるのかねぇ。そっちの方が美味しかったりしてねぇ。」
私は興奮しながら到着するまでそう繰り返していた。心の底から楽しかった。
うんうん、といつも反応を合わせてくれる妻は、何故だかこの時だけはそっけない気がした。というよりどこか哀しげな、儚い美しさをまとったかのような反応。まるで昔の恋人との忘れられない思い出の地に向かうような、そんな切ない反応。きっとお腹が空いているんだろう。私は安易にもそう思い込んでいた。
しかし、私は大きな勘違いをしていたようだ。妻の反応の理由は到着してすぐにわかった。
そこは民間人じゃなかった。居間人(いまじん)だった。
感動する貼り紙
無事に妻の微妙な反応の真相が分かったところで、いよいよ店内へ。
あまり並んでいる様子がなかったのですぐに座れるかと思いきや、実はみんな車の中で順番待ちをしていたらしい。私たちも呼び出しブザーを受け取ってラパンの中へと戻る。
気楽な車内で待つこと15分ほど。
突然鳴り響いたブザーに飛び上がった。
急いでみんなで店内に入ると、用意してもらっていたのは4掛けの座敷席。席につくと、すかさず人数分のマスク袋を手渡された。なんと気の効いたことか。
さらにそこには自由に使える子供用の小さなイスが。メニューにはお子様向けのものもあり、想像していた人気ラーメン屋とは一線を画す子連れへの配慮が見てとれた。
そして私が一番感動したのは、さりげなく座席の壁に貼ってあったこの貼り紙だった。
これにはもう深く感動してしまった。たった一枚、当たり前のように見える文章。子供のいない頃は全く気づかなかったことだが、たったこれだけのことで救われる心がそこにはある。
私たちはだいぶ楽しみながら子連れで色々と出かけているタイプではあるが、それでもお店に入るときはかなり神経をつかう。モノを壊させてはいけない。大きな声を立てさせてはいけない。それらのことに気をつかいながら子供の安全確保をし、自分の食事をするというのはテクニックと体力を必要とすることなのだ。
このお店はもう、美味しかった。
正直、いままで子連れで行った飲食店で一番といっていいほど安心できる。もちろん、だからといって決して気を抜くことはないものの、かなりリラックスして食事をすることができそうだ。
しかし感動はこれでは終わらなかった。注文して出てきたラーメン自体も、想像の遥か上をいく美味しさだったのだ。
極上のこってり味噌ラーメン
テーブルに設置されているタブレットから、私は「水晶山ら〜めん」、妻は「ごっつぉら〜めん」を注文。息子には「チャーシュー丼」と「揚げ餃子」を頼んであげることにした。
そしてしばらく待って到着したラーメンがこちら。
これは私の「水晶山ら〜めん」。うどんのような極太麺は一見すると二郎系のようにも見えるが、そのコシは比べ物にならないほど強く、本当に讃岐うどんのよう。ちなみに麺は極太・中太が選べる。私は極太にした。野菜はたっぷりと載っていて、そのうえに水晶に見立てた味付け卵がドンとふんぞり返っている。
スープはこってり濃厚で、甘めの味噌。
これまで食べた味噌ラーメンで一番美味しいといっても過言ではなかった。
妻の「ごっつぉら〜めん」もまた凄い。こちらはチャーシューをメインに添えたラーメンで、私も味見したがとてもジューシーで極上の味だった。
なお、スープは同様に味噌で、麺は中太を選択している。
またその極上チャーシューがご飯に載っているのが「チャーシュー丼」だった。味見したところあまりにも美味しかったので私も追加で注文。さすがにちょっとこの場では食べきれないので持ち帰りにしてもらった。
次の日に温めて食べたのだが、1日経っているにもかかわらず最高に美味しかった。
空に虹がかかるほどの名店
ここまで書いたとおり、子連れへの気遣いもラーメンの味も抜群の名店だった。
山形に立ち寄る際はぜひ一度行ってみた方がいい。私はもう虜になってしまったので、東北に行くことがあれば絶対に食べようと思う。
大満足でお店に出ようとすると、良かったらお子様におひとつどうぞ、とおもちゃの沢山入った箱を見せてくれた。
最後の最後まで子連れに嬉しいサービスが満載のお店だ。お言葉に甘えてシャボン玉をもらってラパンに常備しておくことにした。
ところで私たちが店内を楽しんでいる最中、外では強烈な夕立が降り注ぎはじめた。ゴォォと鳴る雨音が高い天井に響いていて、それがまた凄くいい。
お店を出たあともしばらく強い勢いで降り続いたので、しばらくラパンで雨宿りをすることにした。すると少し晴れ間が覗いた瞬間、空に虹が。
山形・天童での食事は、何重にも心の満たされる贅沢なものとなった。
店舗情報
【麺屋 居間人Leap】
公式HP:https://ichigonohana.com/
住所:〒994-0061 山形県天童市東芳賀2-8-36
駐車スペース | あり |
営業時間 | 11:00~21:00 火曜日定休(祝祭の場合水曜日) |
電話番号 | 023-687-0789 |
席数 | 2~4名掛けの席が10テーブルほど、お一人席も多数 |
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この記事を書いた人

ルリニコクみみみ。三児の父。音楽家。Webマーケター。28歳のときに第一子誕生。持病のある妻と子育てをするため、コロナ禍前から在宅で働きつつ共同子育てを実施。2021年から家族とのお出かけをブログに書き始める。現在は夫婦で子育てをしながら、ルリニコクというユニットとして活動中。特技は家庭料理とおむつ替え。