大泣きした後に痙攣!?小さな子供が突然発症する泣き入りひきつけとは 対処法や発生頻度などを徹底解説!

子供が大泣きしたあとに、顔が真っ青になって痙攣をおこしてしまった!その症状は泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)である可能性が高いです。焦る気持ちは非常にわかりますが、大丈夫。命に関わるものではないですので決して慌てずに、適切な処置をすれば大事には至りません。今回は子供にしばしば見られる泣き入りひきつけについてその症状や原因、対処法について解説します。

泣き入りひきつけとは

まず最初に安心して欲しいのが、この症状は乳幼児期には誰にでも起こりうるということです。決してあなたのお子さんだけが特別にどこか悪いところがあるわけではないので、落ち着いて様子を見てあげてください。この章では泣き入りひきつけに関する症状や特徴、発生する年齢などについて解説します。

生命の危険はない!

泣き入りひきつけは別名、憤怒けいれんともいいます。その名のとおり怒ってわめいた後に痙攣を起こすからそう呼ばれる発作的なもの。突然、子供がびっくりしたり不愉快なことがあったりしたときに、激しく泣いたまま息を止めてしまい、そのまま1、2分ほど一時的な酸欠状態になってしまいます。チアノーゼ(唇が紫色になる)が出る場合や顔面蒼白になる場合の2パターンがあり、倒れてそり返り硬直してしまうことも。

赤ちゃんや小さな子供って、大泣きするときにまるで波が引くように息を吐き切りますよね。そのまましばらく止まってしまうことでちょっとした酸欠になるということです。

まるでこのまま死んでしまうのではないかと思ってしまいますが、症状は短時間で自然に回復し、酸欠状態による脳障害が残る危険性もないとされています

どんな症状なの?
どのくらいの子がなるの?

主な症状は以下の7つです。

①呼吸が停止する

②顔色が紫色、もしくは青白く変わる

③全身がぐったりする

④意識がなくなる

⑤体が硬直する

⑥頭や体を弓なりに反らせる

⑦手足がけいれんを起こす

てんかんの症状にかなり似ていますが、大きな違いは発作の前に大泣きやケガ、精神的な動揺などの要因が必ずあることです。また無呼吸になる段階があるのも特徴となります。そして睡眠中には起こりませんけいれんの最中に舌を噛むこともありません

泣き入りひきつけを起こしてしまう子供の割合は20人にひとり。つまり学校でたとえるとクラスにひとり以上は発症する可能性があるということです。そう考えるとかなり多いということが分かりますし、決してお子さんが特別悪い病気をもってしまったというわけではありません。

いつから起きるの?頻度は?

症状の起きる年齢は子供によって様々で、早いときは生後数ヶ月から、遅いときは2歳以降に初めて発生します。

発作の頻度は1日に何度も起きる場合や1年に数回ほどしか起こらない場合もあり、これも子供によってまちまちです。初めて症状が出てからしばらくは短い間隔で繰り返されることもまた特徴のひとつです。

どうやって治すの?

この泣き入りひきつけですが、特に病院での定期的な治療などは必要なく、多くの場合は6歳くらいまでに消失します。てんかんや知能障害を残すこともありません。ただし他の失神疾患を残すこともあるので、症状が出たら一度お医者さんに相談することをオススメします。

泣き入りひきつけの
2つのタイプ

泣き入りひきつけにはその症状の様子からふたつのタイプがあります。とはいってもどちらかがより深刻、というわけではなく対処の仕方や予後に違いがあるわけではありませんのでご安心ください。

チアノーゼ型

チアノーゼとは酸素が足りていない血液が皮膚を循環することで、皮膚が青色に変色することです。

泣き入りひきつけの場合、こちらのパターンが多いといわれています。しばらく泣き喚いたあとにチアノーゼをともないながら全身が硬直してそり返り、痙攣を起こします。そんな状態ですから、初めて見る方は本当に驚いて焦ってしまうと思います。しかしここは冷静に。1、2分ほどで呼吸は通常通りになり、顔色も意識も元に戻ります

こちらは散々駄々をこねたあとに発症することからも、「我の強い子」に多いと言われています。

蒼白型

顔が真っ白になりながら意識を失ってしまうのがこちらのタイプ。怖い思いをしたり急な痛みなどが原因となって発生します。硬直するチアノーゼ型とは異なり、こちらの場合は全身の力が抜けてぐったりしていることが特徴です。また泣くこともなくすぐに失神してしまうので、一見しただけでは泣き入りひきつけだとわからないかもしれません。

こちらは血管迷走神経反射が原因のひとつだといわれていて、チアノーゼ型とは違い「怖がりな子」に多いそうです。

泣き入りひきつけは
何故おきるの?

そもそも発作がおきる原因はハッキリとは判明していません。自律神経機能が未発達であることから脳への血流が足りなくなったり心拍の急変化に身体が対応できないことが症状に繋がっているともいわれています。また鉄分が不足していることも要因だといわれ、お医者さんによってはサプリメントを処方されることもあるそうです。

泣き入りひきつけの
対処法は?

基本的には医師による治療は必要ありません。しかし2分以上長く発作が続いたり、1日に何度も何度も起きるようであれば鎮静剤や漢方などのお薬を処方してもらう必要も出てきます

お子さんが発作を起こした際には、まず落ち着いてください。一番やってはいけないのは大声で呼びかけたり、激しく揺さぶるような行為です。脳のトラブルですので、強い刺激を加えるようなことはやめましょう。また意識がないからといって焦って強く揺すると、いわゆる「揺すぶられっ子症候群」(頭蓋内出血)を引き起こしてしまいます。こちらは後遺症も残りますし生命に関わる大変なものですので絶対にやめてください。

慌てずに上半身の服を緩めて、静かに横にしてあげます。このとき必ず周囲に危ないものがないかを確認しましょう。そして時間を計りながら様子を見ます。気持ちはわかりますが、出来るだけ与える刺激は少ない方がいいので、頭を撫でたり身体に触れたりすることはNGです。そして発作が落ち着いてしばらく経ってかららかかりつけの小児科医の先生に相談して下さい。

ただ2分以上発作が収まらない場合や、収束後に発作をすぐに繰り返してしまうようであればすぐに病院に連絡してください

精密検査で断定するのは
難し

泣き入りひきつけによりその場で死亡することはないといわれています。調査をしてもそのような事例は出てきませんでしたし、小児科医の先生もそうおっしゃっています。

だからといって親としては手放しに安心できるものではありません。検査をしなければそもそも本当にただの泣き入りひきつけかどうかも完全にはわからないからです。もし脳に腫瘍があったら…など心配はつきないと思います。

もし必要だと思ったのであれば大きな病院で脳波検査をすることによってハッキリと病気を断定することが可能です。ちなみに小さな子供の場合はCTスキャンはリスクが高いようで、基本的には頭に電極をつけて脳波をはかることになるかと思います。

しかしこの検査でやっかいなのが、症状が出ているときの脳波をはからないと測定が出来ないということ。実は筆者の娘が生後半年ごろからてんかん(と思われる)をもっていて精密検査を受けようと思ったのですが、いつ発作が起きるかかわからない以上その間隔が短くないと測定は難しいと小児科の先生にいわれました。そのまま少し時間が経ち、1歳になるころにはまったく発作が起こらなくなったので今は検査を考えていません。もしかしたら娘も泣き入りひきつけの一種だったのかもしれないですね。

ただ1日に何度も発作が起きるような状態であれば、精密検査を受けるタイミングで症状が出る可能性もあります。小児科医の先生の判断のもと、大きな病院で検査を受けてみるのもいいかと思います。

甘やかすのは逆効果!

この泣き入りひきつけ、精神的なものも大きく関係しています。発作をもっているからといって怒らず甘やかしていると、子供はどんどんわがままでかんしゃく持ちに育ってしまい、結果として泣き入りひきつけが長く残ってしまうことになるのです。てんかんやひきつけを起こす子供によくあるケースとして、親を自分の思い通りにさせたいときに発作をわざと起こすことがあります。これは非常に良くないことですので、今まで通り悪いことをしたら怒ってあげてください。家族からの愛情をしっかりと感じられる子供は4、5歳になるころには自然と泣き入りひきつけを起こさなくなります

まとめ

今回は急に起きると心配になる「泣き入りひきつけ」について解説させていただきました。こちらは20人ひとりが発症するもので決して珍しいものではなく、その場で死亡したり後遺症が残るようなものではありません。睡眠中には起こらず、舌を噛むこともありません。またチアノーゼ型と蒼白型の二種類があり、前者は顔が青くなって硬直、後者は顔が白くなってふにゃふにゃになります。

発作は1、2分ほどで収まり、治療をしなくても6歳になるころには自然に消失します。2分以上発作が収まらない場合や、収束後に発作をすぐに繰り返してしまうようであればすぐに病院に連絡してください。

泣き入りひきつけが発症する原因はハッキリとはわかっていませんが、自律神経がまだ発達途中であることや鉄分が不足していることなどが想定されています。

発作が起きた場合はその場で安全を確保して、上半身の服を緩め、時間を計りながら見守りましょう。発作が収まったらかかりつけの小児科の先生に相談してください。症状の回数が多い時は大きな病院で検査を受けることもできますが、発作がまさに起きている状態でないと正確な測定は出来ないようです。

この病気をもっているからといって泣かせないように甘やかしてしまうのは逆効果になります。親として心配な気持ちはわかりますが、命に関わる病気でないことを理解し、長い目で見守っていきましょう。

急な発作が起こり焦ってしまったときなどに、この記事の情報がお役に立てればと思います。


便秘も乳幼児期の子供によくあるトラブルです。是非合わせてご参照ください!


筆者夫婦が子連れでお出かけをする記事へはこちらから!

    コンタクト