ファミリー向けの本格日本料理店『泉橋庵 総本店』岩手県平泉町にある割烹料理店

今回は岩手県西磐井郡平泉町にある割烹料理店「泉橋庵 総本店」について、子連れで行った感想をまとめさせていただきます。

料亭のような外観

中尊寺を堪能してきたあとはゆっくりご飯だ。

中尊寺を堪能した私と妻とヒナ2羽は(『ベビーカーを忘れてはいけない!』)そのまま平泉でご飯を食べられる場所を探していた

時間は既に16時過ぎ。短縮営業の影響でわんこそばはおろか、この時間から食べることのできるお店はきっとほとんどない。かなり難航するかと思われたお店探しだったが、案外すぐに中尊寺の近くで18時までやっている飲食店を発見した。ちなみにもう一軒だけ、さらに近くに16時半ラストオーダーの日本料理店があったが、子連れなので少し時間の余裕が欲しいこともありこの日はやめておく。

こうして今回行くことにしたのが割烹料理店「泉橋庵 総本店」。ラパンに乗り込んでからほんの5分ほどで到着した。外観は高級料亭のような雰囲気である。しかしすでに岩手県の虜になりつつあった私はもはや予算に糸目をつけないつもりでいた。平泉で食べられる美味しい料理ならいくらでも出せる。今日は豪快に楽しもう。

高級料亭さながらの店構え。

貸切状態のお座敷

そんな意気込みを胸に店内に入るとまず目に飛び込んできたのはガラスケースに入れられた有田焼の大皿と甲冑。思わず身構えてしまった。ここは…小さな子供を連れて入っても良いタイプのお店だったのだろうか。

しかし向かって左側にはテーブル席がいくつも並び、たくさんのお客さんで賑わっていた。よかった。どうやら割とファミリー向けの日本料理店らしい

ほっと安心していると、店員さんが奥から出てきて私たちをお座敷席に通してくれた。そこには他にお客さんはおらず、部屋をひとつ貸切状態。となりの座敷も空いていたので、声も音もほとんど気にすることなく食事が楽しめそうだった。一気にテンションがあがる

いつもと違って畳の上を動けるからか、娘も相当嬉しそうなご様子。ハイハイをして探索を始める彼女に続いて、私も一緒にハイハイする。まるで旅館に来たときの楽しさだ。息子もはしゃいで歩き回る。これだけ動いても誰にも迷惑がかかることがないだなんて、本当にラッキーだった。

入店するとすぐに覇気の強い品々が目に入る。
貸切状態の和室。最高である。

意外とポップなメニュー内容

ちょっとはしゃいだあとはメニューを開く。さて、結局のところ価格帯はどのくらいなのだろうか。見ると意外にも全体的に1,000〜2,000円くらいで、しっかりとファミリー向けに設定されていた。これならば無理なく注文ができそうだ。

メインのメニューはいずれも三陸の海鮮や前沢牛などをふんだんに使った贅沢なものだった。多くの地産品が入っていたのと名前が小洒落ていたので私は「義経」、妻は「」という御膳を頼むことにする。静御膳。ありがちなのかもしれないが、こういうネタは好きだ。内容は知らないが中尊寺にゆかりのある義経にあやかって、そうきたか。

ちなみに息子には「前沢牛スタミナ定食」。肉嫌いなのでたぶん野菜以外はほとんど残すのだろうが、経験はさせておきたい。こんな年齢でそんなものを食べられるなんて羨ましい限りだ。娘は可哀想にまだ人間の食べ物を食べ始めて日が浅いのでセブンイレブンのたまご蒸しパンだ。

この段階までで、このお店は高級そうに見えて意外とポップなことが判明した。座布団の上であぐらをかき、リラックスしながらしばし料理を待つ。しかし到着したお食事たちは、まさにお値段以上というに相応しい料亭のクオリティだった。

見た目も味も超一級

先に到着したのは私の「義経」。

まずはその見た目に度肝を抜かれた。

え、なんですかこれは。

メニューの写真にはそれぞれの重箱の中身しか映っていなかったのだが、これは完全にやられた。いい意味でやられた。予想外すぎる感動にテンションがさらに上がっていく

演出された感動。泉橋庵の手のひらの上で私は転がされ倒していく。私は「失礼します。」という気持ちでこの駕籠の屋根をパカッと開いた。

一番上の段は前沢牛の肉寿司。なんともしっとりとしていて上品。和牛に多い節操ないほど脂がのっているタイプではなく、かといってアメリカ牛のような真っ赤でヘルシーな赤身でもない。とにかく、上品という表現がピッタリ合う。

僭越ながら私も31年間生きてきて、都心でA5ランクの肉寿司も食べたことはあるのだが、正直それとは比べ物にならないほど美味しかった。にもかかわらず、値段はこちらのほうが圧倒的にお安い。これが前沢牛のクオリティか。絶対に食べるべきである。

さて次の段は…??

2段目は天ぷらだ。見るからにサクサクしているのに、衣は割と控えめに素材に寄り添っている。ちょん、とつゆに浸したとて、いずれも負け過ぎず勝ち過ぎず。一番良いバランスで口の中で一体化する、そんな仕上がりだ。天ぷらという料理は素材の良さを最大限に引き出すだけではなく、衣とつゆによって良さを倍増させる必要があるのだが、見事にそれを成し遂げている。美味しい。

最後はお蕎麦。ツルツルしこしこで感動する美味だ。お蕎麦でここまでコシがしっかりしているものを食べたのは初めてかもしれない比較的太めの麺だったのだが、岩手のお蕎麦はこのような特徴をもっているのだろうか。「わんこそば」は食べたことがないのだが、この美味しい麺だったら正直いくらでもいける。ただあれは噛んでいる暇がないというが、このコシだったら死ぬんじゃないか…?それは今度来たときに試してみたいと思う。とにかく、私の中でお蕎麦の一番美味しいところは岩手県になった。正直、ここまでとは思っていなかったことを正式に謝罪させていただきたい。

蕎麦は太めのシコシコ麺。凄く美味しい。
妻の頼んだ「静」御膳。何をモチーフにしているのか知識不足の私にはわからないが、インパクトはこちらも大。
こちらは「義経」とはまた違い、なんとなく女性向けな印象だ。
瓢箪型のご飯がとても可愛らしい。その奥に見えるのはずんだ餅だ。
天ぷらは衣のバランスがとても良い。
こちらは前沢牛のしゃぶしゃぶとなっている。やはり柔らかくて美味しかったそうだ。
イカとサーモンのお造りが。こちらもとても美味しそう。
あわびの酢の物。どうやらこちらには海鮮が多く入っているようだ。
ずんだ餅。苦手な妻でも美味しく食べられるほどのクオリティだったそうだ。
息子の前沢牛スタミナ定食。予想通り肉は残したので私がいただいた。柔らかかった。

岩手が大好きになった

さて子連れ目線での感想だが、テーブル席の方はあまり見ることがなく子供用の椅子があるかどうかはわからなかった。しかし子連れだと見るや、すぐお座敷に案内してくれるような嬉しい気遣いをしてくれるお店だ。私たちは注文しなかったが、バンバーグやお蕎麦のついたお子様セットもあるので安心だ。

店内は若干おとなしめではあるが、私たちの時のようにお座敷が空いていれば、テーブル席との距離がかなり離れている分かなり気楽だ。

漠然と美味しいものを食べようとは思っていたものの、本当にここまでレベルが高い品にありつけるとは思ってもみなかった。料理や中尊寺はもちろん、その道中の景色の良さも含めて、私の中で岩手への愛着が宇宙のように無限の彼方へどんどん広がっていく。少なくともこの日だけで、肉寿司とお蕎麦の一位が私の中で岩手となった

記事を書いている私が今いるのは千葉の自宅。この日からふた月ほど経ったあとなのだが、すぐにでも岩手に行きたい気持ちになる。そのくらいこの土地が好きになったし、実際にこの後も再び岩手を訪れている。これまで人生で割と全国色々な場所へ行ってきたが、いつまでも新しい出会いと発見があるのが旅というものなのだと改めて実感した。

たのしすぎて急にゾンビになる娘。
平泉駅。もう名前の時点でカッコいい!
平泉の周辺は京都のように色規制があるらしく、セブンイレブンも茶色い。
帰り道、なんか変な床屋さんがあった。

店舗情報

【泉橋庵 総本店】

公式HP:https://hiraizu-meets.com/gourmet/senkyouann/

住所:〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉鈴沢67-1

駐車スペース約15台
営業時間11:00-14:00
16:00-18:00(Lo.17:30)
時短営業・臨時休業をしている可能性もあります。
事前にお問い合わせください。

定休日 月曜(月曜日が祝日の場合は翌日火曜日がお休みになります。)
電話番号0191-46-5068
席数100席以上

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