今回は『ひなどりとラパン』の企画記事。このブログのテーマである「子連れお出かけ」の楽しさを広めたいという想いから、私たち夫婦が普段から意識しているお出かけスキルについて解説させていただきます。
ん?お出かけスキル??
そう思われた方も多くいらっしゃるかもしれません。子連れでのおでかけは、ひとりやカップルでのそれとはまた全く違うもので、一言で言ってしまえばかなり大変なのです。ですから成功させるためには夫のおむつ替えスピードの向上や夫婦での連携術など、いくつかのスキルが必要となります。
身につけていると子連れお出かけが数倍ラクに、楽しくなるはずです。今回はその概要と、具体的に必要となる10のスキルをご紹介いたしますので是非ご参考にしていただいて、ご家族で素敵な外食や旅行を楽しんでいただけたらと思います。
子連れお出かけをするメリットについて知りたい方はこちらの記事へ!
Contents
子連れのお出かけに
スキルが必要な理由
まずは子連れのお出かけがどのように大変になるのかをご説明し、スキルが必要である理由について解説したいと思います。
行動に3倍の時間がかかる
小さな子供を連れていると、おむつ替えをしたりご飯(ミルク)をあげたりと様々な時間が行動にプラスされます。
例えばファミレスで外食をするだけにしても、出かける前におむつを替え、ベビーカーの準備をし、お店に着いたらはしゃいでテーブルに上がったり置いてあるものをひっくり返そうとするのを防ぎつつメニューを選び、注文したあとご飯がくるまでまた子供の悪さを防ぎ、自分たちが食べている最中には子供のご飯も口に運んであげ、大体そのタイミングでウンチをすることが多いので一度店内のトイレか車でおむつを替えて、飲み物を飲ませ、再びベビーカーに乗せなければなりません。
ひとり、もしくはカップルだけで食事に行くのと比べると、だいたい3倍は時間がかかるのではないでしょうか。慣れていなければだいたい2時間くらいは見ておいた方がいいかもしれません。下手すればファミレスに食事に行くだけで1日のメインイベントになってしまいます。
この時間を短縮するにはまずおむつ替えのスピードをあげたり、夫婦での協力体制をつくっておくことが必須となります。後ほど詳しくご説明しますが、特に夫のスキルによって大きく勝負の流れが変わってくるでしょう。
体力も3倍つかう
また子連れでお出かけするときにはおむつや離乳食、哺乳瓶、食器、マグカップ、着替え、おしぼり、おもちゃなどを常に持ち歩かなくてはなりません。ベビーカーが使えないタイミングでは、そんな膨大に増えた荷物を持って子供の手を引いて(もしくは抱っこして)行動しなければならないのです。
つまり体力も3倍はかかります。それに加えて前述のような状況ですから、ファミレスに行くだけでもう限界…なんてよくあるお話です。そんな状態から遊園地や動物園に行くなんて考えたら、想像しただけで疲れてしまいますよね。
必要な荷物を減らすことはなかなか難しいですので、ひとつひとつの行動をいかに楽に効率的にするかということを考えることが大切です。そのためには必要なスキルを身に付けておくことに越したことはありません。
お出かけ成功の鍵を握るのは
夫のスキル
子連れでのお出かけはこのような状態ですので、ママがワンオペで面倒を見るということは果てしなく大変です。
にもかかわらず、飲食店にいくと夫は何もせずにスマホをいじっているだけ。子供たちの面倒はすべてママが見ている、という家族をよく目にします。これではママの負担が大きすぎるので、みんなでお出かけすることを苦痛に感じてしまっているかもしれません。
もし夫が的確に子供の面倒を見られるようであれば、夫婦で作業を分担しママの労力を半分にしてあげることが可能になります。
それはつまり体力も倍になり、行動力も倍にすることが出来るということ。それだけで行ける場所が増えますし、どちらか片方だけがヘトヘトに疲れ切っていない分、夫婦ふたりにとって楽しいお出かけになるでしょう。
夫が子供の世話を出来るようになれば、どこまでも可能性が広がるのです。
これだけは習得しておきたい
スキル10選
それでは具体的に子連れお出かけで必要となる10のスキルについてご説明させていただきます。
夫のおむつ替えスキル
夫が的確に素早くおむつ替えをしてあげれば、お出かけにおけるママの苦労とストレスを10%ほどは削減してあげることが出来ます。
目標時間は30秒。ウンチならば60秒。
毎回数字を追うことで楽しみながらスキルアップしていきましょう。慣れてくればたとえおむつ替えのコーナーがなかったとしても洋式トイレの上や車の中で同じくらいの速さで替えることも可能です。
世界一のおむつ替えプロを目指すつもりでいれば、子供がウンチをしたとしても何てことはない、よしきた。とすぐに対応してあげることが出来ます。ママよりも自分の方が上手くて速い、と思えるくらいに上達すればひとつ頼もしい夫になれるに違いありません。
夫の餌付けスキル
子供にご飯をあげるのにもコツが必要です。私は「餌付けスキル」と呼んでいますが、夫がこれを習得すればさらにママの苦労・ストレスメーターが10%削減できます。
コツとしては①一口を大きくしすぎないこと、②食べきるまで我慢すること、③自分の食事をしながらあげられるようになること、の3つです。
①一口を大きくしすぎないこと
一口を大きくしすぎてしまうと、口に入らずこぼしてしまう量が多くなります。子供はそれを手で触るのでいちいち綺麗に拭きとらなければならず、非常に効率が悪くなります。また触ってしまったら今度は手も拭かなければなりません。
しかしだからといって小さな一口ばかりでは回数が非常に多くなりますし、子供にとっても頬張ることによる満足感が得られません。食事を通して脳に刺激を与えることは食育の基本です。口に入る量を見極め、こぼれない最大量を調節してあげることで子供の満足感を高めると同時に食事の時間を短縮しましょう。これもれっきとした技ですので、目標を立てて自分のスキルアップを楽しみながら習得すると楽しいです。
②食べきるまで我慢すること
男性はせっかちです。子供の口にまだ食べ物が入っていて、いつまでもモゴモゴしていると次の一手で流し込んでやりたくなります。気持ちはわかりますが、基本的には口の中のモノがなくなるまでは我慢しましょう。
基本的には子供のペースで食べさせてあげないと可哀想ですし、一度に食べられないのに頬張って、長らく口に入れてからデロデロ出されると掃除が大変です。また、口にモノがない状態を作ってあげた方がこぼしづらいです。ここは頑張って我慢するほうが結果的に速いタイムを叩くことができるといえるでしょう。
ただし子供の性格や気分によってはマイペースすぎて、こちらがリードしてあげないといつまでも飲み込まない、なんてこともあります。そこは臨機応変に対応してあげましょう。
③自分の食事をしながらあげられるようになること
こちらも重要なポイントです。自分の食事が終わってから餌付けする、もしくは餌付けしてから自分の食事をとる。正直、そのどちらも非効率。どちらも並行しておこなうのがプロの仕事です。
子供の咀嚼ペースは思っているよりも遅いので、黙って待っているとイライラしてしまいます。余計なエネルギーを使うのは避けるべきですし、まだ食べ終わっていないのに次のモノをぶちこみたくなる一番の要因となります。何よりもイライラが伝わってしまうとせっかくの食事が台無しで可哀想ですよね。
子供の口に食べ物を運んだあとは、自分の口も潤してあげましょう。そうすることで時間の短縮はもちろんのこと、ストレスが減ることによって子供にも自分のペースでご飯を食べさせてあげることができます。
夫のしつけスキル
こちらは普段から継続しておかなければならないものです。「スキル」というよりは「習慣」に近いかもしれません。要はパパがビシッと言えば悪さを止めるようにしつけをしておきましょう。
よく「たまにしか一緒に居られないのに嫌われたくない」という意見を耳にしますが、厳しいパパでも怒ったあとに抱きしめてあげたり、その他の時間でもスキンシップを多くとっていれば絶対に嫌われることはありません。一見厳しいと思われるしつけもスキンシップとセットでおこなうことで愛情の認知へと変わります。
この習慣があればさらにママの苦労・ストレスメーターは20%削減することでしょう。ただしママが怖がるくらい怒るのは逆効果ですので注意してください。
妻への愛情表現スキル
なにを馬鹿なことを、と思われるかもしれませんが、何なら一番重要といっても過言でない内容です。そして私がパパ、という言葉をあまり使わず「夫」と表現している理由でもあります。
パパであり夫であり続けることが家族で人生を一緒に楽しむ基本。女性は誰かに可愛がられないと健康に生きてはいけません。まずはその考えをもって奥さんを大切にしてあげましょう。ありがとう、などの感謝の言葉やスキンシップなど、具体的な表現行動を欠かしてはいけません。
普段から頼りになって愛情を表現してくれる夫に、奥さんはどこまでもついてきてくれます。その実力を発揮できる大きな舞台が、子連れでのお出かけ。家族のお出かけであると同時に、夫婦のデートであるという意識は必ずもつべきです。仕事だけではなく、家庭でもリーダーシップは必要ですし、努力をするべきです。それをしない人が、よく聞く「ATM」的な夫に成り下がるのです。
消毒スキル
さてここまで夫のスキルについてご説明してきましたが、以降はママも含めて夫婦どちらにも必要なスキルとなります。
とはいってもママはすでに習得済みのものがほとんどだとは思います。生物学的に女性は子供の安全確保にかなり敏感。言われずとも普段からやっていることでしょう。
そのひとつがこちら、消毒スキル。これは何かというと、飲食店などの施設において子供が触れるものをあらかじめ除菌シートで拭いておくというものです。
ここで求められる技というのは、ずばり子供が何を触るのかを予想するということ。次に説明する「未来予知スキル」と重複するところがあります。テーブルや椅子、スーパーのベビーカートなど沢山の人々が触るものは必ず消毒しておきましょう。
ただし心配だからといってすべてのものを隅々まで拭くというのは時間の無駄ですし、大きなストレスです。直接の舐めたり噛んだりするような恐れのあるものに絞って処置をし、その他のものを触った場合は子供の手を拭くようにしましょう。テーブルなら縁のライン、カートならベルトの紐や顔に近い部分など、処置すべきポイントを見抜く力も必要です。
未来予知スキル
子連れお出かけにおいて未来予知も必須のスキルだといえます。小さな子供はなんでも手に取ったり口に入れたりする生き物。レストランの装飾品や雑貨屋さんのガラス製品の棚など、ひっくり返したら大怪我をしますし、弁償のお金も馬鹿になりません。こうした思わぬ事故や物品の破損などを防ぐためには、自分の子供が興味を持ちやすいものを普段の観察から推測しておくことが大切です。もちろんそれでも子連れお出かけには予想外のトラブルがつきものなのですが、少なくとも大ごとになることは避けられますので常に意識しておきましょう。
飲食店の場合は、席についたあとにどのような動きをするかを予測することで座席自体の選び方や配置の変え方が変わってきます。特に難易度の高いラーメン店やカフェなどでは、このスキルをフル活用しなければ必ず何かしらの事故が起きるに違いありません。
事前調査スキル
ここまでの必須スキルを身につけて、いざお出かけするぞ!となっても下調べが何もない状態では楽しみが半減してしまいます。予定が見えないことによる疲労によってママの士気も下がってしまいますし、道に迷ったりトイレがなかったりと思わぬトラブルにもなりかねません。
私も結構行き当たりばったりが好きなタイプですので気持ちはわかりますが、子供を連れている以上は安全策をきちんととりましょう。最低限、オムツを替えられるスペースがあるか、座って休める場所はあるか、近くにコンビニはあるか、近くに危険な場所はないか、などは調べておくべきです。
独身のときから事前に行くお店やスポットのことを丁寧に調べる習慣があるよ、という方も多いと思います。もちろんそれは心強いのですが、ひとりやカップルでのお出かけとは調べるポイントが少し変わってくるので注意も必要です。
お得情報アンテナスキル
楽しいお出かけのあとに、実は対象となっていたお得クーポンや特典があったと知ったら、一気に残念な気分になってしまいますよね。子連れは優遇されていることが多々ありますので、事前にお得情報は調べておくことも大切です。
街全体としておこなっている子育て支援事業などもあります。その場合はお店ごとにその情報を紹介してくれているとは限りませんので、普段から情報にはアンテナをはっておきましょう。千葉県全体で行われている「チーパス事業」などが良い例です。
チーパスについてはこちらの記事で詳しくまとめています。是非合わせてご覧ください。
夫婦の連携スキル
またも基本のキ、といった内容ですが、子連れお出かけにおいて夫婦の連携は必須事項です。とくに子供の数がふたり、3人と多くいる場合はなおさらです。夫が餌付けをしている間にママがもうひとりのおむつ替えをして、ママがおっぱいをあげている間に夫がおむつ替えを…というようにシステマティックに分担することで体力を温存し時間を節約することが可能になります。トラブルが起こった際も子供を見ている方と処理をする方とで分かれることで解決が素早くなりますし、ふたつのチームに分かれて行動することも出来ます。
ただし、どちらか片方だけの負担が大きくなるようなことは絶対に避けましょう。とはいってもそれぞれが感じる負担の大きさがお互いにわかるわけではありません。思っていたよりも相手はストレスに感じていて、我慢をしているものだと考えましょう。
そのような溝を埋めていくためにはお出かけの帰りや夜寝る前に、夫婦でフィードバックをすることが必要です。お互いにその日の楽しかったことや辛かったことを話して、改善点をまとめていきましょう。これが出来る夫婦ならばどちらかがストレスを溜め込むことはありませんし、会話のある関係を続けることが出来ます。
良い夫婦関係の鍵は産後の夫の行動にあります。こちらの記事もご参考にしてください!
適度なサボりスキル
最後は主にママの気をつけるべきポイントなのかなと思います。それはずばり「サボる」スキル。具体的には「綺麗にしすぎない」「心配しすぎない」「周りを気にしすぎない」という3つの「しすぎない」を意識することでストレスと疲れを和らげる技です。
これって簡単なように見えて難しいことなんですよね。女性は男性よりもはるかに安全管理に対する意識が高いですから、なおさらです。しかし気を張り詰めてしまっていてはせっかくのお出かけも意味がありません。ママが楽しめないお出かけは子供も本当は楽しくないのです。気をつけるところはつける、抜いてもいいところは抜く、というバランスで少し肩の力を落としてみましょう。
そして夫はママがリラックスできるように普段から頼れる存在であるべきです。ふたりとも同時に気を抜いていると思わぬ事故に繋がりかねませんからね。ここも夫婦の連携で、お互いに協力しながら消費エネルギーを小さくしていきましょう。
まとめ
子連れでのお出かけはひとりやカップルでのそれとは異なり、時間も体力も3倍は必要になります。本記事ではその消費エネルギーを極力減らしてお出かけをさらに楽しいものにするための10の必須スキルについて解説させていただきました。
当サイトの他の記事でも幾度となく触れているように、子連れでのお出かけには夫の子育てスキルが重要な鍵を握ります。スピーディーで正確なおむつ替え、汚さない餌付け、普段からのしつけ、ママへの愛情表現の4項目はすべて夫が頑張るべきことですので、自分を含めたみんなが楽しい休日を過ごすためにまずは行動してみましょう。他の項目はすべてその前提のうえに成り立っています。
消毒、未来予知、事前調査、お得情報へのアンテナは子供のいる方なら当たり前と感じるような基本的な内容ですね。ただその上で適度なサボりも入れておかなければ精神力も体力も保てません。あまり完璧主義になりすぎず、楽しむことを大前提に少し肩の荷を下ろしましょう。それをするためにも夫の頼れる度合いを高めておき、夫婦の連携をうまくやっていくことが大切です。
今回は以上です。子連れお出かけを楽しめる方がどんどん増えていったら嬉しいなと思います。ではまた本編にてお会いしましょう!
この記事を書いた人
ルリニコクみみみ。三児の父。音楽家。Webマーケター。28歳のときに第一子誕生。持病のある妻と子育てをするため、コロナ禍前から在宅で働きつつ共同子育てを実施。2021年から家族とのお出かけをブログに書き始める。現在は夫婦で子育てをしながら、ルリニコクというユニットとして活動中。特技は家庭料理とおむつ替え。